
地域を守り、日本をリードし、
世界に発信する呼吸器内科学教室
2021年11月1日付で、金沢大学医薬保健研究域医学系呼吸器内科学の教授を拝命しました。
大変光栄に存じるとともに、身の引き締まる思いがいたしております。
教室の沿革ですが、1969年に開講した金沢大学医学部第三内科学講座に起源をもちます。
旧第三内科は国内で初めて骨髄移植療法を実施したことがあまりにも有名ですが、1974年ごろより骨髄移植後の肺合併症の対応に当たる呼吸器グループが結成されました。
その後藤村政樹先生や笠原寿郎先生が診療科長として呼吸器内科を発展させて来られました。
2019年4月、金沢大学内科臓器別再編により、中尾眞二教授が主宰されていた旧第三内科は血液・呼吸器内科から血液内科と呼吸器内科に医局を分け、呼吸器内科は独立して診療・研究を行ってきました。
2021年11月からは矢野が着任し新たな講座としてスタートさせていただくことになりました。
これまで呼吸器内科では藤村先生や笠原先生のリーダーシップの下、慢性咳嗽、気管支喘息や肺がん、間質性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)をはじめとする幅広い呼吸器疾患の診療や研究を行ってこられ、呼吸器内科医を育てるとともに関連病院の先生方と連携して北陸の呼吸器医療を支えてこられました。
私矢野は、2007年より金沢大学がん進展制御研究所腫瘍内科で肺がんを中心とした固形がん患者さんの薬物治療や、薬物治療に対する耐性を克服する研究に取り組んでまいりました。
今後は、肺がんの先進的な治療や基礎・臨床研究により力を注いで取り組むとともに、慢性咳嗽、気管支喘息、COPD、間質性肺炎、呼吸器感染症をはじめとする良性肺疾患の診療や研究のレベルアップも行う所存です。
呼吸器の臨床や研究を志す若い学生、医師の方々が、私たちの教室の門をたたいてくれることをお待ちしております。
命に直結する呼吸に関わる呼吸器内科へのニーズが年々高まっています。
呼吸器疾患の基礎から臨床までを理解し、質の高い診療を実践できる骨太の呼吸器内科医を育て、日本の呼吸器医療を支える人材を育成してまいります。
教室員一丸となり、同門や関連病院の先生方にご支援をいただきながら、地域を守り、日本をリードし、世界に発信する呼吸器内科学教室を作ってまいります。
これからもご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。